大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和33年(う)28号 判決

しかしながら原判決挙示の証拠に依り、原判示第二(一)乃至(四)の各事実、すなわち「被告人が法定の除外事由なくして、原判示の頃水野雄幸及び津守一より前後三回に亘り、日本専売公社の売渡さない外国製たばこ合計八百三十個を、代金合計十万六千八百円で譲受けたこと、並に、原判示の頃原判示の場所で、日本専売公社の売渡さない外国製たばこ合計二百十三個を所持していたこと」をそれぞれ肯認するに十分である。弁護人は「これ等の各所為は、短期間内に反覆累行された同種の行為であるから、継続の犯意に基くものとして、其の全部を包括一罪と認定すべきである。」旨主張するけれども、証拠を検討すれば、前記の各所為は、数日乃至数十日の間隔を距てて為され、しかも行為の類型、態様を必ずしも同じうせず、それぞれ別個の意想発動に基く行為であることを優に看取するに足る。尤も原審並に当審証拠調の結果にこれを徴すれば、原判示第二(四)の所持は、第二(一)乃至(三)の譲受を前提として成立した行為であることを認め得ない訳でないけれども、被告人の司法警察員並に検察官に対する各供述調書の記載に依れば、被告人は前記譲受け行為の当時より、一個月余を経過した後である昭和三十二年八月九日、営利の目的より目的物件を占有していたものであることを認定するに足り、右の事実に徴すれば、叙上の所持は、譲受の当然の帰訣である目的物件の一時的な把持の域を遙かに逸脱したものであり、先行する譲受の所謂余剰行為として、譲受行為の内に吸収せらるべきものでなく、新な犯意に基く別個の犯罪行為であると解すべきである。これを要するに、以上いずれの観点よりするも、原判示第二(一)乃至(四)の所為は、所論のように一罪を以て認定すべきでないから、論旨は理由がない。

(裁判長裁判官 山田義盛 裁判官 沢田哲夫 裁判官 辻三雄)

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